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インタビュー
“サイテイコンビ”に聞く「安全な医療」への想い
患者様と医療提供者の“懸け橋”となり、医療ミスがない世の中を目指す
弁護士:崔 舜記(さい しゅんき)
医師:丁 秀鎮(てい しゅうちん)
二人の出会いについて教えてくださ
■崔 舜記(弁護士)
丁先生との出会いは、お客様からの紹介です。私が患者様側の医療事件を扱っていることをお話しすると非常に興味を持ってくださり、医療の安全を守り、患者様に寄り添った医療を提供するという共通の価値観を持っていることを知りました。それからは、私が受けている医療訴訟案件に対して、丁先生からアドバイスをいただく形での協力体制が始まりました。
■丁 秀鎮(医師)
私は「患者様に喜んでもらいたい」というモットーを持っており、病気の治療・予防だけではなく、自分の知識や経験を患者様のために別の形で活かせないかと常に考えていました。崔先生との出会いを通じて、医療過誤の専門家としての視点と私の医師としての経験を組み合わせることで、患者様にとってより良いサービスを提供できると感じました。実際に一緒に仕事をしてみると、期待以上のシナジーが生まれ、患者様にとって大きなメリットがあると確信しています。
「医療への懸け橋」の設立のきっかけは?
■崔 舜記(弁護士)
私は患者様側に立った医療訴訟を専門に行っており、医療ミスを減らし、最終的には医療ミスが起こらない世の中を目指すという理念を持っています。この目標を達成するためには、医療と法律の両面からアプローチする必要があると考えて、現役の医師である丁先生と共同で「医療への懸け橋」を設立した次第です。
■丁 秀鎮(医師)
私自身、医療現場で患者様と接する中で、医師と患者様の間の「パワーバランス」を適正化することの重要性を痛感してきました。医療を受ける際、患者様はしばしば情報不足や専門知識の欠如により、「聞きたいことが、聞けない」「言いたいことが、言えない」という状況に陥りがちです。このようなコミュニケーションのギャップは、患者様が本来必要な検査や治療を受けられなくなる恐れがあります。これは、患者様だけでなく医療提供者側にとっても大きな問題です。なぜなら、その方が本来受けるべき適切な治療やケアを見落としてしまう恐れがあるからです。なので私たちは、患者様と医療提供者の「懸け橋」となり、患者様の診察に同行するなどして、適切な情報共有が行えるような関係性を築くお手伝いをしたいと思っています。)
「医療への懸け橋」のコンセプト・理念は?
■丁 秀鎮(医師)
私たちのコンセプトは、一言で言うと「医療の安全」です。しかし、その「安全」は患者様側だけではなく、医療提供者側にとっても同じで、安心して医療が提供できる環境の構築も目指しています。今もお話ししましたが、現在、患者様と医療提供者の間に大きなすれ違いがあり、そのギャップを埋めることが私たちの使命だと考えています。双方の立場を理解し、考え方を共有することが、私たちが一緒に取り組む意義の1つです。
■崔 舜記 (弁護士)
通常、医療過誤と言えば、問題が起きた後のトラブルや訴訟のイメージが強いですが、私たちはその前段階、つまりトラブルが起こらないようにする予防的アプローチに重点を置き、医療ミスがない世の中を目指しています。すでに発生した問題を解決することも大切ですが、それよりも問題が起こらないような仕組みづくりに力を入れることが、患者様にとっても医療提供者にとっても最良の解決策だと考えています。
現役医師と弁護士が連携 医療問題に対する総合的なアプローチが可能
「医療への懸け橋」のサービス内容は?
■崔 舜記 (弁護士)
私たちが最も力を入れているのは、紛争が発生する前の段階での積極的な関与です。患者様の診察への同行、患者様が聞きたいこと・言いたいことを伝える、また医療提供者側が患者様に伝えたい情報をわかりやすく伝達する“メディカル通訳”のような役割、現在、ご自身やご家族が受けられている医療に関するご相談など、医療ミスの防止に繋がる様々なサービスを提供しています。その他、介護施設などでの医療・法律顧問としての役割を通じて、医療的なトラブルを防ぎ、その施設のブランディングにも貢献したいと考えています。
■丁 秀鎮(医師)
私たちは、患者様が医療サービスを受ける全過程にわたって、医療ミスや過誤が起こらないようなシステムづくりを目指しています。現在受けられている医療に関するご相談、診察への同行、その際の“メディカル通訳”と、医療機関と患者様の懸け橋となり、すべての方が安心して医療サービスを利用できる環境を作り上げたいと思っています。
「医療への懸け橋」のサービスの特徴は?
■丁 秀鎮(医師)
そもそも私たちが提供しようとしている、「世の中から医療ミスをなくす仕組みづくり」というサービスが非常にオリジナルで、他に類を見ないものだと考えています。加えて医療訴訟やそれに関わるご相談の場合、医学の専門家による意見が間接的にしかクライアントや弁護士に伝わりません。これに対して、「医療への懸け橋」では私自身が直接クライアントや崔先生とやり取りし、臨床経験に基づいた明確かつ具体的な意見を提供します。なので情報の正確性や、それがクライアントの元へ届くまでのスピード感が、他とは全然違うと言えます。
■崔 舜記 (弁護士)
さらに、私たちはクライアント側と医療提供者側の双方から見た“公平な立場”を心がけています。医療提供者側に問題がある場合は明確に指摘し、一方でクライアントの無理な要求には「それは難しいです」とはっきりとお伝えします。感情的になりがちな医療訴訟において、私たちが冷静な第三者の立場から公平なアドバイスを提供することで、患者様と医療提供者、双方にとって最適な解決に繋げられたらと思っています。
弁護士と医師が連携することのメリットは?
■丁 秀鎮(医師)
弁護士と医師が連携することで、医療問題に対する総合的なアプローチが可能になります。私の臨床経験と医学的知識を基に、医療過誤の発生リスクがあるような状況を評価し、患者様が直面するかもしれない問題を未然に防いだり、発生後、それをスムーズに解決したりすることが可能になります。患者様が自分の健康に関する問題についてより深く理解し、適切な医療サービスを受けられるようなサポートが提供できる点が、私たちの連携の最大のメリットです。
■崔 舜記(弁護士)
弁護士の立場から言うと、現役の医師と連携し、医療業界の内側からの知見を得た状態でサポートできる点がとても重要です。患者様の不安や疑問を的確に捉えて、解消するためには、医療現場の実際を熟知している医師の意見が不可欠だからです。医療訴訟案件において、弁護士がクライアントからの情報をもとに他の医師に意見を求める際、その医師と直接話す機会はほとんどなく、通常、医療鑑定サービスを提供している業者を介したやり取りになるのですが、当事務所の場合、クライアント、私、そして丁先生という三者で話し合い、お互いの意見を合わせて迅速に対応することができます。
患者様と医療提供者の両方にとって“より良い未来”を作りたい
最後に、ホームページをご覧の方へメッセージをお願いします
■丁 秀鎮(医師)
高齢化社会の今、医療を必要とする層は急増しています。しかし、それを支える若者や医療従事者の数が追いついていません。「医療への懸け橋」では、医療現場をサポートし、医療従事者や引退した医師、さらには法律の専門家が患者様を支える新しい風土を作ることを目指しています。私たちの活動が広がり、多くの方々にご賛同いただけることで、医療環境はより良くなると信じています。患者様と医療提供者、それぞれがしっかりとコミュニケーションを取り、情報が共有でき、互いに協力し合える風土を作ることが、私たちの目標です。
■崔 舜記(弁護士)
私自身、医療ミスで母を失った経験があるため、患者様側の立場に深く共感します。しかし、丁先生との出会いを通じて、医療訴訟において個々の問題を解決するだけでは限界があること、そして医師自身も様々な悩みやプレッシャーを抱えていることを再確認しました。私たちが連携する意義は、患者様だけではなく、医師のためにもより良い医療環境を作ることにあります。丁先生のような医師がいるからこそ、私たちは異なる立場を超えて同じ目標に向かって進むことができます。この貴重な出会いと連携を通じて、私たちは患者様と医療提供者の両方にとって“より良い未来”を作りたいと考えています。